公式ガイドブック先行発売


国際陶磁器フェスティバル美濃’11 公式ガイドブック
国際陶磁器フェスティバル美濃’11 公式ガイドブック

国際陶磁器フェスティバル美濃’11 公式ガイドブック

9月16日―10月23日に開催される「国際陶磁器フェスティバル美濃11」。その公式ガイドブックが完成、4月9、10日に開催された「たじみ陶器祭り」の会場で先行発売された。現在セラミックパークMINOでも先行販売されており、8月3日から書店やコンビニでも販売する。同フェスティバルで公式ガイドブックが発刊・販売されるのは初めて。

同ガイドブックは今回のフェスティバルのコンセプトである、世界を代表するコンペティションの「国際陶磁器展美濃」のアカデミックな部分と、多治見、土岐、瑞浪の地元企業が一体となった美濃焼のブランド構築や産業振興・地域振興事業との2本の軸をアピールするためのもの。総合プロデューサーの神谷利徳氏が企画した。同氏は「美濃焼を伝えるには、まず美濃という地域をわかってもらわなければ意味がない。地元の名所やレストランガイドなど、旅行ガイドにも使える作り。飲食店には、美濃焼の食器を使った提案も行った」と語る。

内容は「国際陶磁器展美濃」をはじめフェスティバルのイベント詳細、美濃焼1300年の歴史、多治見、土岐、瑞浪の観光スポットややきものショップ、グルメマップなど、美濃焼と美濃地方の魅力が凝縮されている。

発行は同実行委員会で企画・制作は㈱流行発信(名古屋区中区)。AB判148ページで800円。同実行委員会・セラミックパークMINOでは通信販売も受け付けている。

国際陶磁器フェスティバル美濃’11 公式サイト

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近世・近代の茶陶 窯場名工名鑑 [著]黒田和哉


kamaba

東京・銀座の㈱黒田陶苑の黒田和哉氏が「近世・近代の茶陶 窯場名工名鑑」(A5判、374頁)を㈱淡交社より刊行した。

kamaba

本書は、江戸時代から明治、大正、昭和期にかけて全国で生み出された茶陶を地域ごとに分類し、作品と銘・印を約830点の図版で紹介。あわせて各窯の歴史、特徴と茶陶を生み出した陶工、茶人、数寄者など陶作家たちの生い立ちを解説している。

全部で7章で構成され、北から南まで全国地域ごとに解説。瀬戸や常滑、初期伊万里などの有名所だけでなく、東京の後楽園焼や沖縄の湧田焼など普段耳慣れない窯場も記述してる。

長い歴史を持つ茶陶は平坦な道を歩んできたわけではなく、ときの施政者によって創窯または廃窯となった。廃窯となった陶家、陶工たちは四散し、優れた技法は伝わることなく、作品は幻となり、後世その技法を復元することは困難を極めた。

現在でも不明、不詳の茶陶も多い中から茶碗の現物、窯場の所在、名款の明確なものを掲載した茶陶の歴史を探る一冊。

(淡交社、2,940円)

会場をセラミックパークへ


第7回国際陶磁器展美濃の会場

国際陶磁器フェスティバル美濃の第6回目は2002年10月12―11月4日に開催された。1986年の多治見市総合体育館での第1回以降3年ごとに開催し、第5回は1998年に開催したが、第6回は新会場となるセラミックパークMINOのオープニング催事と位置付け、開催年を1年遅らせ2002年開催とした。国際陶磁器展美濃には57の国・地域から2049点の出品があった。

同回は「美濃焼再発見」をテーマにした企画展を開催。「美濃焼を育てた人と技」では美濃焼づくりの技術の実演を若手作陶家や一般の来場者に披露した。「美濃焼テーブルコーディネートフェスティバル」では作り手と使い手の交流を図り、「憩い」をテーマに一般消費者から美濃焼を使ったコーディネートを募集し、それらを展示した。「創作おみやげアイデアコンテスト」ではビジネス支援の仕組みづくりとして陶磁器を利用した美濃焼産地ならではのアイデアコンテストを実施した。広く設備の整った新会場は来場者にも好評で、海外の出品者やプレスも多数集まり、約13万人の来場者でにぎわった。

第7回国際陶磁器展美濃の会場

第7回国際陶磁器展美濃の会場 (2005年)

第7回は2005年7月1日―8月31日、セラミックパークMINOで開催された。同展は3月25日―9月25日に開催された「愛・地球博」の期間中の開催となり、「日本」「美濃」の陶磁器をアピールし、陶磁器を介した国際交流を推進した。国際陶磁器展美濃には51の国・地域から1894点が出品。デザイン部門は今回から、実用機能を有するファクトリープロダクトの「デザイン部門A」と実用機能を有するスタジオプロダクトの「デザイン部門B」に分かれた。また同回は、デザイナーとプロダクトのコラボレーションによりデザイン・製造・販売の三者が一体となって「デザイナーインMINO 05新作商品発表展」を開催し、生活に密着したシーンでの美濃焼ブランドの新たな価値の創出を目指して開発した新ブランド「dim(ディム)」を発表して注目された。

第8回国際陶磁器展美濃

第8回国際陶磁器展美濃 (2008年)

第8回は2008年8月1日―9月30日、セラミックパークMINOで開催された。国際陶磁器展美濃には55の国・地域から3284点が出品され、名実ともに世界を代表するコンペとなった。同回も関連イベントとして「デザインが美濃を変える!」をテーマに「デザイナーイン美濃」(dim)を開催。さらなる美濃焼のマーケット確保を目指して、メーカー・商社がコンペのデザイン部門入賞者の中からデザイナーを指名し新商品を開発し「dimブランド」を立ち上げ好評だった。「アートインMINO」(aim)では「土から生える」をテーマに「土と人間のかかわり」の根源性を問い、美濃地域の採土場や製陶工房などで展覧会、ワークショップ、講座を繰り広げた。またセミナー企画「トークイン美濃」(tim)では「熱く語る美濃!」をテーマに、デザイナーらが「新商品開発のノウハウ、苦労話」などを語り合い、それぞれテーマ性の高い企画を繰り広げた。

そしていよいよ今年9月16日―10月23日、これまで以上に美濃地区の産業振興・地域振興に力を入れ産地一丸となった、第9回国際陶磁器フェスティバルが開催される。

回を重ねるごと国際色豊かに


第8回国際陶磁器展美濃展授賞式
第8回国際陶磁器展美濃展授賞式

国際陶磁器展美濃は年々国際色豊かに。第8回(2008年)の陶芸部門グランプリは台湾のシ・ヨンシ氏(写真右)が受賞した

「第2回国際陶磁器フェスティバル美濃89」は1989年10月22日―11月5日に第1回と同様、多治見市総合体育館で開催された。メーン企画である国際陶磁器展美濃は、「陶磁器デザイン部門」のテーマに「光とのコミュニケーション」、「陶磁器部門」には「風」をテーマに作品が募集され、合計3733点の登録があった。第1回には登録のなかったソビエト連邦からも含め60の国・地域から作品が集まり、第1回の47の国・地域を大きく上回る国際色豊かな展示となった。前回、来場者から陶磁器の祭典で陶磁器を購入したいという要望が多かったため、今回は「見る・買う・食べるの2週間」と題した「フレンドリーフェア」を開催。海外から大道芸人を呼んだイベントや陶磁器販売コーナー「やきものソルド」、「岐阜物産展」内の飲食コーナーが好評を博した。

第3回は1992年10月25日―11月3日に多治見総合体育館で開催。国際陶磁器展美濃には、第2回を上回る63の国・地域から3546点の登録があり盛況だった。また、新素材・新技術、領域のボーダレス化などの変化に伴い、「セラミックス」というより広範なテーマを打ち出したことも特徴。同回からサブイベントとして、国内外の陶磁器デザイナーの秀作を一堂に展示する「世界のトップデザイナー招待作品展」を開催した。

第4回は1995年10月28日―11月5日に多治見総合体育館で開催。国際陶磁器展美濃には64の国・地域から3544点の国際色豊かな登録があった。「世界のトップデザイナー招待作品展」は「アジアの新しい風」と題し、アジアを舞台に活躍する作家に焦点を当てた。また代表的な企業の製品を幅広く展示した「国際陶磁器企業展」や、「ジュニア陶芸フェスティバル」も開催された。

第5回は1998年10月28日―11月3日に前回と同じ会場で開催。国際陶磁器展美濃の登録は64の国・地域から3507点を数えた。「世界のトップデザイナー招待作品展」では「北欧の光と影」と題してフィンランドの陶磁器デザインを紹介した。また企画展として、「世界の生活・やきもの展」の写真パネル展示や道場六三郎氏、滝田栄氏、林望氏などの著名人によるライフスタイル提案「やきもののあるライフスタイル展」も開催された。この第5回は多治見市総合体育館で開催された最後のフェスティバルとなった。第6回以降は、2002年に竣工したセラミックパークMINOで開催されることとなる。

第9回国際陶磁器展美濃の審査始まる


第7回国際陶磁器展美濃の審査会

9月16日―10月23日に開催される国際陶磁器フェスティバル美濃(主催・同実行委員会)。その中核イベントの1つ第9回国際陶磁器展美濃の審査が始まった。

第7回国際陶磁器展美濃の審査会

第7回国際陶磁器展美濃の審査会の様子 (2005年)

同展は陶磁器のデザイン・文化の国際的な交流を通じて、陶磁器産業の発展と文化の高揚に寄与することを目的とした世界を代表する陶磁器展。今回は世界58カ国・地域から、日本633人、アメリカ76人、韓国97人、中国43人、ポーランド28人、英国27人、台湾27人など1255人が出品。出品点数は「陶磁器デザインファクトリー部門」に101点、「陶磁器デザインスタジオ部門」に825点、「陶芸部門」の1853点の計2779点の作品が寄せられた。

審査員は「陶芸部門」が陶芸家の鈴木藏(審査委員長)、茨城県陶芸美術館長の金子賢二、岐阜県現代陶芸美術館長の榎本徹、ヴィクトリア&アルバート博物館東洋部学芸員のルパート・フォークナー、陶芸家のウ・グァンホの各氏。「陶磁器デザイン部門」が食環境プロデューサーの木村ふみ、デザイナーの小泉誠、フランスのデザイン雑誌「intramuros」編集長のシャンタル・クラバー・ハメイド、フィンランドの陶磁器ブランド「ARABIA」のデザイナーのクリステーナ・リスカの各氏。

今後は、3月7日まで審査員各氏が画像による予備審査を行い、4月22日に審査員ミーティングを開催。そして4月23―24日に第一次審査の後、7月13日に最終審査説明会、翌7月14日に最終審査。9月15日に表彰式と内覧会を催す予定となっている。

HOTERESなど3展合同展「HCJ2011」


2010年2月ホテル・レストラン・ショー会場
2010年2月ホテル・レストラン・ショー会場

宿泊、外食、給食業者などを対象にする3展合同展を展開。今回は観光特別セッションも催す

「HOTERES JAPAN2011」(第39回国際ホテル・レストラン・ショー)と「第32回フード・ケータリングショー」、「第11回厨房設備機器展」で構成する「HCJ2011」(主催・(社)日本能率協会)が2月22―25日、東京ビッグサイトで開催される。

同展では、厨房・調理設備機器、フードサービス機器、食品加工・包装設備機器、家具、インテリア、エクステリアなどのジャンルで、約800社が出展。ホテル・旅館、温泉、外食、中食、給食などの業界を対象に、来場者約8万7000人を見込む。

今回の注目企画では、今後の観光施策の方向性と、魅力的な商品開発をするための考え方などを観光産業関係者に提示する「第2回観光特別セッション」のほか、「食空間トータルコーディネートセミナー」、「介護食コーナー」を展開。イベントステージでは、「ニッポン米粉の魅力発見!」とうたう「米粉で料理」、バーテンダーが開拓した新たなジャンルとして注目される「第1回HBAフレア・バーテンディングチャレンジ・コンクール」、レストランサービス技能士が技能を競う「第5回HRSサービスコンクール2011」などを繰り広げる。多くのビジネスセミナーも予定されている。

第1回は予想以上の11万人が来場


第1回の陶磁器デザイン部門のグランプリ受賞作品「POTS」
第1回(1986年)開催時の陶磁器デザイン部門のグランプリ受賞作品「POTS」

第1回(1986年)開催時の陶磁器デザイン部門のグランプリ受賞作品「POTS」

国際陶磁器フェスティバル美濃の第1回は「土と炎の国際交流」をテーマに1986年の11月2―9日、多治見市総合体育館で開催された。

開会式では、開催委員会総裁の上松陽助岐阜県知事が「世界43カ国から出品があった2070点の中から選ばれた優秀なやきものを皆様に見ていただきますが、これも皆様方のご協力のもとでここに開催の運びとなった」と挨拶、記念すべき第1回が始まった。

フェスティバルのメーンである第1回国際陶磁器展美濃’86では、陶磁器デザイン部門のグランプリ(内閣総理大臣賞)に「POTS」(杉浦豊和、小松誠、杉浦正之、喜田智明、杉浦友義、杉田恵三、加藤正光の各氏)が受賞。森正洋審査委員長は「美しく新しい形、新しい機能性、新しい表現の技術、新しい材料の使用、高度な技術開発によるものなど、第1回にふさわしい作品が選ばれたことを喜ぶとともに、本展を契機として陶磁器デザインの一層の努力と発展を切望します」とコメント。陶芸部門では「The Burned Triangles」(シャルタン・タルボ氏)がグランプリ受賞。乾由明審査委員長は「審査は多数決による判定をできるだけ避けて、徹底した討論によって行われた。入選率12%と厳しい選考にパスした作品はいずれも極めて密度の高い優れた出来ばえの仕事である。おそらくこの展覧会は、国際的に見ても、最も充実した見ごたえのある現代陶芸展になるものと思う」と総評した。

会期中にはセミナーなどが開催され、国際交流の場として貴重な意見や情報が交換された。国際陶磁器デザインシンポジウムでは「21世紀の生活文化とデザイン」をテーマに、池田満寿夫氏の特別講演やパネルディスカッションが行われ、世界の陶磁器市場の動向や日本の陶磁器業界の問題を討議した。国際陶磁器デザインセミナーでは、世界を代表するトップデザイナーであるニーノ・カルーソ、ロイド・E・ハーマン、会田雄亮、森正洋、寺光彦の各氏による短期集中講座を開講。国際陶芸フォーラムでは国内外の陶芸界の潮流を学び、ワークショップを体験。美濃ならではのやきものの歴史を見学した。
 会期中は好天に恵まれ、連日新聞やテレビなどで報道されたこともあり、地元はもとより全国各地から予想を上回る11万198人の来場者があり、第1回は成功裏に終了した。

第71回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2011


2010年9月ギフトショー
2010年9月ギフトショー

70回目となる今回のテーマは、景気を浮揚させる「創意工夫のギフト戦略」。写真は2010年9月開催時の会場

「第71回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2011」(主催・㈱ビジネスガイド社)が2月1―4日、東京ビッグサイトで開催される。日本最大のパーソナルギフトと生活雑貨の見本市。今回は「新しい世界との交流『創造と発見!』」をテーマに約2400社が出展、新規顧客開拓に向けた異業種との交流が期待される。

メーンとなる「ライフスタイル提案ゾーン」は、ホームファッションに関する商品が一堂に会し、次代のライフスタイルを創造する。また、前回から設けた女性をターゲットにした商材を集めた「おしゃれ雑貨ワールド」を商材別に「ファッションアクセサリーゾーン」、「ミネラル&ジェムストーンゾーン」、「ファインジュエリーゾーン」と3つにゾーンを分け、ファッションアクセサリーからファインジュエリーまで装身具の全てを網羅する。このほか「第9回モダンジャパニーズスタイルフェア」が開催され、日本の技を「衣」「食」「住」「芸」に分類して展示する。その中でも注目は、「食」のブースで「焼」「漆」などの技術を使い現代の食生活に合った器などを提案する。

フェスティバルの歴史を探る


セラッピーくん

国際陶磁器フェスティバル美濃は、1986年11月2―9日に初開催された。その第1回目を振り返る。

同フェスティバルは陶磁器業界のデザイン意識を高め技術の研鑽(けんさん)により美濃焼の振興と世界へのPRを目的として始まった。多治見市、土岐市、笠原町の東濃地方は1000年を超える歴史ある美濃焼の生産地であり、大小含めた企業が3000を数える生産量国内最大の「やきもの城下町」であるにもかかわらず、当時は美濃焼の知名度が低かった。こうした状況を打破する起爆剤としてフェスティバルが企画された。1983年12月に多治見市で、日本陶磁器工業協同組合連合会と日本陶磁器卸商業協同組合連合会の協力を得て、国際的なコンペティションの可能性を探る検討会が始まった。1984年にはスペインとデンマークに調査団を派遣。美濃焼が国際的に生き残っていくためには世界のデザインを知る必要があり、ヨーロッパ各国の協力も可能との意見も出され、調査団は「美濃で国際デザインコンペの開催」を提言した。翌1985年には岐阜県、多治見市、土岐市、瑞浪市、笠原町、商工会議所、青年会議所などで構成する開催準備委員会を発足。中小企業デザイン国際化振興事業の助成も受け、多治見市役所内に事務局が設けられ、開催に向けての作業が精力的に行われた。

フェスティバル名称は「国際陶磁器フェスティバル美濃’86」と決定。「土と炎の国際交流」をテーマに、国際陶磁器展と国際陶磁器デザインシンポジウム・セミナーを中心とする日本初の本格的イベントが始動した。美濃が世界のデザイナーやアーティストの人的交流や、陶磁器デザイン・技術・文化などの情報交換の場として、国際的な役割を果たしていくことを目指し、以後3年ごとに開催されることになった。

セラッピーくん

セラッピーくん

メーン企画となる第1回国際陶磁器展美濃’86の募集も1986年4月の締め切りを目指し始まった。募集部門は、「未来への胎動」をテーマに未来の陶磁器デザインの方向性を示唆し新しいコンセプトを提案する「陶磁器産業デザイン部門」と、「伝統から革新へ」をテーマに現代陶芸の新しい領域を提案する「陶芸部門」の2部門。開催委員会は出品の要請とPRのため、アメリカとヨーロッパ、中国、韓国に要請団を派遣した。また、マスコットキャラクターを全国から公募。293点の中からポットをイメージした「セラッピーくん」が選ばれた。

コンペでも産業振興強調


国際陶磁器フェスティバル美濃作品募集ポスター

来年9月16日―10月23日に開催される国際陶磁器フェスティバル美濃’11(主催・同実行委員会)のトピックスを定期的に取り上げていくこのコーナー、今回は1月10日の締め切りが迫る第9回国際陶磁器展美濃’11の新趣向を紹介する。

国際陶磁器フェスティバル美濃作品募集ポスター

今回のコンペでは陶磁器デザイン部門を機械制作によるものと手作業によるものの2部門に分けた。写真は作品募集のパンフレット

今回の同フェスティバルの特徴は、世界を代表する陶磁器展である第9回国際陶磁器展美濃と、美濃焼とその産地の産業振興・地域振興事業のさまざまなイベントとを車軸の両輪として力を入れていく点にある。特に産業振興・地域振興事業の視点はこれまでにないもの。前回56カ国・地域から3000点を越す作品が出品された第9回国際陶磁器展美濃にも、これらの視点を新たに取り入れている。東濃地方の陶磁器産業を中心とした、歴史的資材やバックボーンを伝える、歴史的財産の視覚化を目指している。

同展には応募部門として、陶芸部門と陶磁器デザイン部門に分け、陶磁器デザイン部門をさらに、実用性を有するファクトリープロダクト(機会を主とした分業システムによる大量生産品)「陶磁器ファクトリー部門」と実用機能を有するスタジオプロダクト(個人の手作業を主とした少量生産品)の2部門に分けている。2つの「陶磁器デザイン部門」をアピールすることにより産業振興を強調していきたいと、同実行委員会は考えている。また、多治見市、瑞浪市、土岐市に在住・在勤の出品者を対象に新たに「坂﨑重雄セラミックス賞」(2点、賞金50万円)を設定したのも地域振興を強く意識したものだ。

審査方法も予備審査後の1次審査を公開審査にする計画や、「陶磁器ファクトリー部門」の受賞作の展示では直接手にとったり、茶器などでは実際使って体感することができる展示も検討しているという。

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