コンペでも産業振興強調
来年9月16日―10月23日に開催される国際陶磁器フェスティバル美濃’11(主催・同実行委員会)のトピックスを定期的に取り上げていくこのコーナー、今回は1月10日の締め切りが迫る第9回国際陶磁器展美濃’11の新趣向を紹介する。
今回の同フェスティバルの特徴は、世界を代表する陶磁器展である第9回国際陶磁器展美濃と、美濃焼とその産地の産業振興・地域振興事業のさまざまなイベントとを車軸の両輪として力を入れていく点にある。特に産業振興・地域振興事業の視点はこれまでにないもの。前回56カ国・地域から3000点を越す作品が出品された第9回国際陶磁器展美濃にも、これらの視点を新たに取り入れている。東濃地方の陶磁器産業を中心とした、歴史的資材やバックボーンを伝える、歴史的財産の視覚化を目指している。
同展には応募部門として、陶芸部門と陶磁器デザイン部門に分け、陶磁器デザイン部門をさらに、実用性を有するファクトリープロダクト(機会を主とした分業システムによる大量生産品)「陶磁器ファクトリー部門」と実用機能を有するスタジオプロダクト(個人の手作業を主とした少量生産品)の2部門に分けている。2つの「陶磁器デザイン部門」をアピールすることにより産業振興を強調していきたいと、同実行委員会は考えている。また、多治見市、瑞浪市、土岐市に在住・在勤の出品者を対象に新たに「坂﨑重雄セラミックス賞」(2点、賞金50万円)を設定したのも地域振興を強く意識したものだ。
審査方法も予備審査後の1次審査を公開審査にする計画や、「陶磁器ファクトリー部門」の受賞作の展示では直接手にとったり、茶器などでは実際使って体感することができる展示も検討しているという。