第74回東京インターナショナル・ギフトショー秋2012


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「第74回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2012」(主催・(株)ビジネスガイド社)が9月5―7日、東京ビッグサイトで開催される。

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前回は陶磁器業界からも多くの企業が出展。写真は石川県が伝統産業をPRしたブース

「ギフト・ショーで会おう」を合言葉に、未来志向、リラクセーションギフトをテーマにした「幸福」と「チャンス」を呼び込むための商品や心の関連ギフトを提案する。専門性の高い45のフェアで構成された会場に国内外の約2400社が出展し、多彩なジャンルの商品を一堂に披露する。来場者は約20万人を見込む。

住まいを彩るインテリア雑貨が集まるゾーンでは、「ヨーロピアンスタイル」「アメリカンストリート」「リゾートリビング」「オンリーワンコレクション」の4つのスタイルエリアを新設した。また「ライフスタイル提案ゾーン」には、ペットとのライフスタイルを提案する「Life with Pet」やソーシャルコンシャスな商品が集まる「Peaceful Life」が加わった。「ACTIVE DESIGN&CRAFT FAIR」では、プロダクトデザインをインダストリアルデザインとクラフトデザインに分けて2つのデザインコーナーを展開し、現代の生活者の感性をとらえるデザインコレクションを提案。そのほか「キッチン&ダイニンググッズコンテスト」では、食卓を楽しく、おいしく便利に演出する機能的かつハイデザインなグッズを集め、「新製品コンテスト」では、次世代のヒット商品を狙うコンテストを開催する。

会期中は同会場で「第12回グルメ&ダイニングスタイルショー秋2012」「にっぽん元気マーケット」「Nippon HEART GIFT」が開催される。

黒田泰蔵Collection展


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「黒田泰蔵Collection展」が、東京・芝のt.galleryで開催されている。

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「花器」

黒田氏は、1946年滋賀県生まれ。伊豆の松崎町に築窯し、ここ20年ほどは一貫して白磁の世界を追求している。

その場の空気さえ清廉なものに変えてしまいそうな無垢な白。時にかすかに、時に勢いを宿すロクロ目。薄く緊張感をはらむエッジ。その美しさと強さとを併せ持つ作品には、熱狂的ともいえるファンがついている。

同展も初日の2日には12時のオープン前に、5―6人の男性ファンが列を作っていた。中には遠く香港や広島から、仕事の日程を同展に合わせて、駆けつけた人もいたほどだ。

それほどまでに人々が黒田作品を求める理由の一つに、近年日本で新作展が開かれていないことがあげられる。もともと日本以上に海外で高く評価されてきた氏。日本だけでなく、海外で個展を開催することも少なくなかったが、ニューヨークの「YOSHII GALLERY」のエキシビションに選ばれ、定期的に個展を開催するようになってからは、それに向けたアートピースの制作に多くの力を傾けている。

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「食器」

現在、日本国内で氏の作品を扱っているギャラリーやショップは、t.galleryを含め片手にも満たない。中でも食器類は人気が高いにもかかわらず、ほとんど作られていないのが現状だ。t.galleryの御手洗照子オーナーは、5年ほど前に、「もう食器は作らない」という氏の言葉を聞いたという。「それだけ作品に集中したいのだろう」と、氏の心中を理解しているが、ファンからは「もっと背の高いジャグがほしい」「クリーマーとジャグの間くらいの大きさのものがほしい」「手のない煎茶用のポットがほしい」などの声が、御手洗氏の元に届く。そんな声を機会を見つけて氏に伝えると、「気が向いた時に少し作ってくれる」のだそうだ。

同展では、オブジェや花器など御手洗氏のコレクションのほか、そんな稀少な食器類も、展示即売されている。10日まで開催。

 

 

第3回テーブルウェアEXPO


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「第3回テーブルウェアEXPO」(主催・リードエグジビションジャパン㈱)が7月4-6日、東京ビッグサイトで開催される。

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「第2回DESIGN TOKYO」のPROTO LABではデザイナーが制作した個性ある作品を展示した

同展は6つの展示会を合同した「GIFTEXワールド」の一つで、このほかに「第7回国際雑貨EXPO」「第4回ベビー&キッズEXPO」「第3回テーブルウェアEXPO」「第3回ファッション雑貨EXPO」「第3回DESIGN TOKYO」の併催に加え、今回は「第1回キッチンウェアEXPO」が開催される。

出展対象品は、陶磁器、漆器、ガラス食器、木製食器、箸、茶道具、カトラリー、花瓶、食卓小物などといった多岐に渡るテーブルウエア関連商品。今回は出展社数を3倍に拡大している。食器関連では㈱アイトー、前畑㈱、㈱ヤマキイカイ、㈱セラミック藍、㈱嶋田陶器、㈱アワサカ、グループ飛鳥、うるしの光、長崎県陶磁器卸商業協同組合、三川内陶磁器工業協同組合など53社が出展を予定している。

萬皿屋がサイト「おいしいうつわ」立ち上げ


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(株)たち吉の子会社、(株)萬皿屋(岐阜県瑞浪市、岡田高幸社長)は6月1日、食器の通販に加え季節の献立やレシピ、窯元紹介などの情報も発信するウェブサイト「おいしいうつわ」(http://www.oishiiutsuwa.com)を立ち上げた。

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雑誌的な情報サイトとして構成

食器関連の通販ウェブサイトがあまたある中で、「おいしいうつわ」では単に食器を紹介・販売するのではなく、「料理」「器」「窯元」の3方向から、日本の食卓を丁寧に解説する雑誌的な情報サイトとして構成されているのが特徴。「日々の食卓」「3月弥生」「春の便り」などといった季節提案や特定のテーマでニュースレター形式のページを定期的(2カ月に1回程度)に発信し、料理と食器を合わせた日本の食卓を提案・紹介している。商品は、たち吉の産地ネットワークを生かし、今まで扱っていなかった窯元・メーカーの手づくり食器を展開する。特に料理の内容には力を入れており、出張形式で料理を提供する「懐石風出張料理 池田」(愛知県稲沢市)代表の池田美香子氏が料理を手がけ、献立内容、レシピ、コメントを掲載。さらに1つの料理に対して複数の盛り付け例を掲載するなど、あくまでも「料理が主役」になっているのが印象的だ。

さらに掲載する全ての食器について、作り手を詳細に解説。現在は美濃の7社と九州の7社の窯元を掲載し、作り手の顔や彼らが「うつわ」に込めた思いなども紹介している。

サイト開設時点で5つのニュースレターページを掲載し、約180点の食器を紹介・販売している。今後同ページを発信する度に料理や食器が増えていくが、蓄積された情報はバックナンバーの閲覧に加え、サイト右上の「料理」「器」「窯元」の3つのタブから網羅的にアクセスできるようにし、あらゆる志向のユーザーに配慮している。

おいしいうつわ: http://www.oishiiutsuwa.com

JCDAの作家作品を販売支援


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ソーシャルセレクトマーケット「DAN-TE(ダンテ)」(運営・(株)オプト、東京都千代田区)は、(社)日本クラフトデザイン協会(JCDA、会員281人)と連携し、協会所属作家のインターネット販売を支援する取り組みをスタートした。

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JCDA会員専用ページ

ダンテは、手作り1点物に特化し、作家とユーザーが交流したり、その作品を売買できるECマーケットプレイスで、昨年秋に開設。12年当初の粘土・クレイ系には20人(登録ユーザー2700人)、現在は250人(同4600人)を超えるアーティストの登録がある。(株)オプトはJCDAの賛助会員となり、長期的な視点での協会および協会所属作家のインターネット販売を支援していく。

ダンテサイト(http://dan-te.jp)では、JCDA会員のための専用ページを開設(現在登録15人、陶芸5人)し、「クラフトデザイン ハートtoハート展」(6月17日まで、福井県・アートコア)、「くらしのスタイル展inえべつ」(6月24日まで、北海道・江別市セラミックアートセンター)などのイベントを告知し、集客協力も行っている。

同社の菅原康之氏は「ダンテサイト購入者の7割は女性で、人気はアクセサリー類、ファッション小物。他と比較して陶磁器類の成約件数は伸びていない。飲食店サイトとの連携、粘土・クレイ系のくくりの変更、実物に触れる機会を設けるリアル企画も含めて検討している」といい、JCDA・長谷川武雄氏は「協会の最も弱い部分、ネットというツールを用いての販売、さらにJCDAのものづくりの姿勢を広くアピールし活路となることを期待する」と話す。

ダンテは海外向けの同サイトを9月公開に向け準備を進めている。

DAN-TE(ダンテ): http://dan-te.jp

キヨミズヒロシ展-清水九兵衛・七代清水六兵衛の原象


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七代清水六兵衞(1922-2006)の、襲名前の貴重な作品を集めた「キヨミズヒロシ展―清水九兵衞・七代清水六兵衞の原象―」が、東京・芝のt.galleryで、5月27日まで開催されている。

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襲名前の作品約50件を展示

六代の長女と結婚。陶芸の名跡である清水六兵衞を継ぐ立場となった氏は、しかし四十代半ばにして作陶を中止。現代彫刻の道に入り、清水九兵衞として多くの作品を手がけた。世界的に認められた彫刻家として活躍したことは、広く知られている。その後先代の死去に伴い、1981年に七代目を襲名するが、陶芸を再開するのは1987年以降で、約20年間のブランクがある。

同展では、表に出ることの少ない襲名前の作品約50件を展示。出品された作品は、オブジェから花瓶、茶碗、酒器、急須、珈琲碗、鉢・皿などの食器類まで様々だ。伊羅保の作品が多いが、他にもマット系の釉薬を用いた作品や、赤絵を施した作品、金箔を焼き付けた作品などがならぶ。

よく眺めると、小さな皿にも七代らしい形へのこだわりが、随所に見られる。分厚い土で作られたずっしりと重い花器からは、土のひずみを許さないという強い思いが伝わって来るようだ。また、薄く作った花器の上部に切れ目を入れ、その近辺を大きくへこませた造形の作品もあり、分厚いものから薄く変形するものへと、移っていく作品の変遷も興味深い。

やめる直前に制作していた薄く変形する作品は、20年後の復帰作品にも受け継がれており、初期のこれらの作品が、襲名後の作品の原象となっている。八代清水六兵衞氏によれば「九兵衞として仕事をするようになってから、以前の作品を自分で壊したため、襲名前の作品はあまり残っていない」とのこと。七代の芸術の軌跡を辿る上でも、貴重な作品群といえるだろう。

各産地の春の陶器祭り


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4月から5月上旬にかけて全国の陶産地で恒例の陶器祭りが開催された。今年はゴールデンウィーク後半に全国的に天候が荒れたものの、西日本では4、5日に回復し、前年を上回る来場者を集めた産地もあった。

たじみ陶器まつり(岐阜県多治見市)

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「陶器の日」のPRをした「たじみ陶器まつり」

「たじみ陶器まつり」(主催・同実行委員会)は4月7、8日、多治見駅周辺と市内本町のオリベストリートで開催された。

60回記念の今年は「陶器廉売市」の開催に加え、周辺の虎渓山永保寺や多治見修道院など観光スポットを紹介した。また「10月4日は陶器の日(お茶漬けの日)」のPR事業のアピールで美濃焼の茶漬け碗アンケートの集計、美濃焼強化磁器の茶漬け碗に多治見名物「うなぎ茶付け」が120食振舞われた。


せと陶祖まつり(愛知県瀬戸市)

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作家こだわりの作品を販売した「せと陶祖まつり」

「せと陶祖まつり」(主催・大せともの祭協賛会)は4月14、15日、瀬戸市内で開催された。
会場には若手陶芸家の作品を販売するせともの楽市やせと窯元直販処など50店が軒を連ねた。このほか土鈴やオカリナの絵付け体験、瀬戸の作家が作陶した抹茶碗を使用したおもてなし茶会を開催。大勢の親子連れでにぎわった。また陶祖藤四郎(加藤四郎左衛門景正)を祀る陶彦神社に陶物を献上する奉献の儀式も行われた。

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陶物を献上する御物奉献行列


TOKI-陶器祭り(岐阜県土岐市)

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雨模様でも多くの来場者でにぎわった「TOKI―陶器まつり」

「TOKI-陶器祭り」(主催・主催・同実行委員会)は4月21、22日、土岐市産業文化振興センター(セラトピア土岐)周辺で開催された。
会場では美濃焼のメーカー、商社、陶芸家30店舗が出店した「美濃焼買道市」では、多くのやきものを販売し、大いににぎわった。このほか皿にプロの似顔絵師に似顔絵を描いてもらう200枚限定の「似顔絵コーナー」や「ろくろ体験教室」などを開催し、親子連れから人気を集めた。また全国からご当地グルメを集めた「B級グルメ」やとっくりとっくんやうながっぱなどゆるキャラが集まってダンスを行ったほか、東日本大震災復興イベントとして「能米・南三陸復興市」が開催された。

インテリアライフスタイル


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「インテリアライフスタイル」(主催・メサゴ・メッセフランクフルト㈱)が6月6-8日、東京ビッグサイトで開催される。約600社が出展を予定している。

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緑の空間を演出した西館アトリウム

今回は会場構成を大きく変更し、キッチンツール/グッズや食器をそろえた「KITCHEN LIFE」、日本の伝統技術や意匠を生かしたデザインプロダクトが集う「JAPAN STYLE」、国内外の35歳以下の若手デザイナーに絞った「TALENSY」など10のコンセプトに分類している。毎年テーマを変えているメーンのアトリウム特別企画は「Feel Good Store」、これからのストアビジュアルを表現した編集型の展示ゾーンで「スマイル(笑顔になれる)」「エシカル(倫理的につくられた)」「リビング(心地いい暮らし)」「トラベル(可動型生活や旅)」の4つのテーマでセレクトしたアイテムをストアスタイルで紹介。テーマをアイコンとし「心地よさ」を提案する店舗をイメージして展開する。

業界関係の出展では木本硝子㈱、九谷焼鏑木商舗、西海陶器㈱、三郷陶器㈱、松徳硝子㈱、㈱セラミック・ジャパン、ナハトマン(㈱セイエー/ RSN JAPAN㈱)、鳴海製陶㈱、㈱二ノ宮クリスタル、㈲不動窯、㈲堀江陶器、マスターズクラフト㈱、㈱丸利玉樹利喜蔵商店、㈱深山、㈱山加商店、㈱ヤマキイカイなど、国内外を含め約150社が出展を予定している。

このほか、㈱グローカルネット カルランジャパンの兵頭武信氏による「2013年ライフスタイルトレンドとインテリアデザインが目指す方向とは?」、㈲プランクスの佐藤寧子氏による「ライフスタイルを表現する、ウィンドーディスプレイ」などのトークショーを開催する。

第38回名古屋テーブルトップショー


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2012年1月の山加商店ブース

秋・冬向けの新作を発表する業界の一大イベント「38回名古屋テーブルトップショー」(主催・NTS運営協議会)が6月5―7日、愛知県産業労働センター、吹上ホール、ロフトビルで開催する。卸商社やギフトグループなど、20グループ・190社が出展し、陶磁器、ガラス、漆器などの食器類、雑貨、インテリアをはじめとした新商品・企画を展開。全国の百貨店・量販店、陶磁器専門店、生活雑貨店のバイヤーらを招き、商談を交わす。

名古屋展参加一覧日程は、ナディアパークデザインセンタービル(名古屋ロフトビル)で開催する美瀬肥うつわ展とぬりの華、山中・漆うつわ会+1展が6月5―7日、ほかはすべて6、7日の2日間の開催となる。
今回は生活飾物の㈱セイエーがあけぼの会に新入会し、ふぉーらむフェアーは開催しない。前回1月の開催では、伝統的な技法や装飾を見直す「原点回帰」への動きもみられた。今回はトレンドとなる商品がでてくるのか注目が集まる。

森正洋の言葉。デザインの言葉。 [著]森正洋を語り・伝える会


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「森正洋の言葉。デザインの言葉。」(A5判変形、244頁)が(株)美術出版社から発刊された。

mori同書は2005年に没したプロダクトデザインの巨匠、森正洋氏の「ものをつくること、デザイン、生活、社会」について生前語った言葉が85本収録されている。構成は「第1章デザイナーとしていきる」「第2章かたちを作る」「第3章社会の中のデザイン」の3章で構成されていて、各章に、ものづくりやデザインに関わる者にとって胸を突かれる、同氏の熱く真摯な言葉と貴重なデザイン画が収録されている。

また陶磁器業界関係者として、松尾慶一白山陶器(株)社長、同社デザイナーの阪本やすき氏、富永和弘氏、福田由希子氏、(株)キハラの木原長正社長も言葉を寄せている。

著者は「森正洋を語り・伝える会」、企画はナガオカケンメイ氏。

(美術出版社、1,890円)