現代産業に生きる技 [著]十名直喜


勁草書房は4月25日、「現代産業に生きる技 『型』と創造のダイナミズム」を発行した。著者の十名直喜氏は名古屋学院経済学部教授。

現代産業に生きる技本書では、瀬戸焼のノベルティ産業をモデルに伝統産業・地場産業がもつ多様な側面や可能性を現代産業論の広い文脈の中で捕らえ直す。記述されている瀬戸のノベルティ産業は現在、すでに衰退期を過ぎて生産規模としては往時の面影もないが、昭和のある時代、瀬戸地方が持っていたあふれるような想像力と活力を感ずることができる。その産業遺産や技術的遺産をこれからの瀬戸の産業発展・地域再生にいかに生かして行くのか。伝統・衰退産業の再生の可能性を「型」の理論を踏まえて、技術と芸術、産業との融合の視点から総括していく。ひとつの地場産業が、どう生成し、発展し、衰退し、消滅していくかを考えさせられる著作となっている。

(勁草書房、4,200円)

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