正直者はバカをみない [著]石積忠夫
本物の成功を目指す人は「正直者はバカをみない」と説く。「正直者はバカをみる」という言葉に惑わされず、物事に正面から愚直に対峙していく者が結局、成功に到達できることを強調している一冊だ。
著者は石積忠夫・リード・エグジビジョン・ジャパン社長で、同社を年間36の見本市を開催する(2007年当時)国内最大の見本市主催企業に創り上げた。営業で必要なことはテクニックを駆使することではなく、素直に(相手に)気持ちをぶつけることで、それが人の心を動かす。結果を出せない営業マンに共通しているのは「買って下さい」という肝心な一言が言えないことだ、と記している。得てして怠け心をもたげるのが営業マンの常だが、文具業界出身の石積社長はその克服法として、街の地図の全文具店に印を付け、一軒も飛ばさずに訪問して歩いた。これを「ルール」にすれば怠けられなくなる。営業成績は格段に向上した。見本市業界に身を転じて20年。この間の軌跡も綴っている。ビジネスで成功する王道とは何か。それは奇策ではなく愚直に取り組んでいくことしかないと強調している。
業界から著作を出してほしいという要望を受け、約2年で書き下ろした初の著作。「ビジネスマンのみならず、主婦や学生にも読んでもらいたい」と話している。
(ダイヤモンド社、1,600円)