進化する首都高ネットワーク

大幅な燃費改善効果を実現、コスト削減と効率化を両立


レインボーブリッジ

首都圏の主要地域を網目状に結ぶ首都高速道路。その有効活用は物流効率化の実現に貢献する

陶磁器業界は、店舗配送の効率化に向けた配送システム再構築の取り組みに当たって、首都高速道路の利用メリットが改めて見直されている。

この背景には配送コストの高騰がある。つまり、トラック運行に不可欠な燃料(軽油)やエンジンオイル、グリスといった油脂類、タイヤといった消耗品の価格が上昇しており、物流の基本コストである運行3費(燃料&油脂類、メンテナンス・タイヤ&バッテリー)の低減が大きな課題として浮上している。その対応として、省燃費に有利な定速走行を実現する高速道路の走行メリットがいま改めて見直されているというわけである。

物流コストの削減という観点から、首都高速道路の利用メリットを検証してみると――。

省エネルギーセンターが実施した都心の道路走行データ(2004年)によると、一般道路走行時の燃料消費量は繰り返される発進&停止で燃料消費量全体の6割近くを占めている。その点、信号のない高速道路を走行すれば、発進&停止の無駄な燃料消費がなくなる。

特に比重の大きい陶磁器の輸送&配送は、重量物運搬に位置づけられるところであり、陶磁器製品を運ぶトラックは発進や加速時にエンジン負荷が大きくなる傾向が強い。つまり、燃費は悪化しやすい方向にある。信号による発進&停止がない高速道路を走り、かつ緩やかな加速を心がければ、大幅な燃費改善が期待できる。ちなみに、負荷のかかる発進&停止の回数を抑えれば、メンテナンス回数やタイヤ摩耗の抑制などにも有効であり、トータルで相当なコスト削減を実現できる。

配送効率の点に関しても、発地と着地がともに首都高速道路を利用しやすい条件であれば、最短距離かつ速い車速で配送できるため、大幅な時間短縮や配送効率の向上を実現、配送車の稼働台数削減も期待できる。
こうした省燃費&効率化を享受できれば、首都高速道路の利用コストを差し引いても、コスト削減メリットは大きい。

首都高速道路中央環状線・山手トンネルが開通、首都高速道路の利用環境は好転しているが、さらに渋谷線~湾岸線を結ぶ中央環状品川線が開通して首都高速道路ネットワークが強化されれば、首都圏の陶磁器物流は配送拠点再配置を含む配送体制見直しが加速する可能性は高いといえる。

(「陶業時報」2010年7月15日号掲載)

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