ヤマザキマザック美術館、「ロイヤル コペンハーゲンのアール・ヌーヴォー」を開催
19世紀末から20世紀初頭にかけて、欧米で流行したアール・ヌーヴォーの時代に、デンマークから世界に向けて発信された、美しく愛らしい釉下彩の数々を紹介する「ロイヤル コペンハーゲンのアール・ヌーヴォー」が、名古屋市のヤマザキマザック美術館で、8月25日まで開催されている。
世界屈指のロイヤル コペンハーゲンのコレクターである塩川博義氏(日本大学教授)のコレクションが披露される同展。注目されるのは、やはり19世紀末にロイヤル コペンハーゲンが確立した「釉下彩」ならではの、柔らかいパステル調の風合いだろう。主に吹き付けで着彩するため、淡くにじんだ色彩が、ニュアンス豊かなグラデーションを形成。奥行きのある絵画的な空気感をまとった作品は、世界の多くの人々を魅了している。今回展示の中心となる、生き物の姿をかたどった「フィギャリン」は、ミルキーな釉下彩の風合いに、動物の愛らしさも加わり、見応えがある。
さらに同時代にデンマークで釉下彩の作品を制作したもう一つの工房ビング オー グレンダールによる「釉下彩鷺センターピース」や「フィギャリン」も併せて展示。「釉下彩鷺センターピース」は、デンマーク王室からも特別注文されたもので、満開の花にサギの姿を合わせた豪華なデザインに釉下彩が上品にマッチしている。