古九谷論争の最期 [著]二羽喜昭


古九谷論争を取り上げた「古九谷論争の真実」「真実の古九谷」の著者、二羽喜昭氏が3作目の「古九谷論争の最期・神の手の贈物伊万里説」(新書判、230頁)を時鐘社より発売した。

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同書は20年前に有田の登窯の発掘から古九谷の色破片が発掘されたことで「古九谷は伊万里で作られた」とされたことへのねつ造疑惑を取り上げ、近年の伊万里説の動向など新事実を加えさまざまな角度から問題点を追及している。

「古九谷=伊万里」のきっかけは昭和47年に有田の発掘で、古九谷の色破片が出土したと報告されたことに始まる。そして平成3年に文化庁機関と陶磁学会が、その破片を物証として伊万里説を採択する。しかし発掘調査報告書には「破片は登窯跡からの出土」としていることからねつ造疑惑が浮上、著者は「古九谷の色絵のやきものは『登窯では絶対に焼けない』」として異論を唱える。

「色絵を焼くのは上絵窯という陶業のイロハも知らない人間が外から破片を持ち込んだのではないか」という疑念のもとに「第1章発掘はじまる」「第2章伊万里説は国策か」「第3章発掘報告書の改編」「第4章シンポジウムと展覧会」「第5章機能しない陶器学会」「第6章推進派と批判派」「第7章古九谷論争の最期」の7章仕立てで疑惑を追及している。

サブタイトルにもなっているが、かつて「旧石器ねつ造事件」と同じ手口がここでも起きたのではないか、と一石を投じている1冊。

(時鐘舎、800円)

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